当院では、2025年2月より、12歳以上の小児および成人を対象に、重症スギ花粉症の新しい治療法としてゾレア®︎(オマリズマブ)注射を開始します。
ご希望の方や詳しく知りたい方は、まずはアレルギー外来でご相談ください。
<ゾレア®︎について>
・アレルギー反応を引き起こすIgEの働きを抑える注射薬です。
・スギ花粉飛散期(2月〜5月)に2週間または4週間に1回クリニックで皮下注射を行います。(投与間隔は選べません)
<対象となる方>
下記の全ての条件を満たす方が対象です。
□例年、スギ花粉症の鼻症状が重症・最重症の状態(くしゃみ、鼻水、鼻づまりの全ての症状があり、「くしゃみが1日11回以上」または「鼻かみ回数が1日に11回以上」または「鼻づまりが非常に強く、1日のうちかなりの時間、口呼吸をしている」)
□スギ花粉のアレルギー検査(血液検査)の結果が陽性(血清特異的IgE抗体がクラス3以上)
□既存治療(抗ヒスタミン薬の飲み薬とステロイド点鼻薬)を1週間以上行っても効果不十分
□12歳以上
□体重が20〜150kg
□血清中総IgE濃度が30〜1,500IU/mL
<開始までの一般的なスケジュール>
◯1回目受診:重症度の確認、既存治療の開始
◯2回目受診:既存治療で効果不十分であることの確認、血液検査(総IgE、特異的IgE抗体)
◯3回目受診:血液検査結果説明、ゾレア®︎の投与量・投与間隔の決定
◯4回目受診:ゾレア®︎注射の開始
このスケジュールは厚生労働省から通達されるガイドラインによって定められています。
保険診療で治療を受けるためには、必ずこの流れに沿って進める必要があります。
<費用について>
・ゾレア®︎は保険適用ですが、一般的な花粉症治療より費用が高額になる場合があります。
・体重と総IgE濃度により投与量・投与間隔・薬剤費が異なります。
・費用の詳細はノバルティス社のウェブサイトをご参照ください。
・小児の場合は子ども医療費助成の対象となります。